第3部 応用編

 ビジネス分野でグリッドが利用されている事例を紹介しましょう。
 ビジネス分野のPCグリッドでは、社内の遊休PCを仮想化・統合化して、大規模な計算処理を行います。製薬会社の薬品分析、証券会社のリスク分析などに利用されています。ある企業は、タンパク質の解析にPCグリッドを導入し、従来約50日かかった計算を約10時間に短縮しました。
 半導体メーカー、自動車メーカー、製薬メーカーなど、設計や解析で大規模な計算処理を行う企業では、グリッドを導入して、社内の異機種のコンピュータや遠隔地の事業所、他社のコンピュータを仮想化・統合化しているところもあります。
 社内外の複数のデータベースを仮想化・統合化するデータグリッドを導入して、検索の利便性や情報セキュリティを向上させ、銀行、コールセンターなどに導入されている企業もあります。ある県では、複数の県立病院のデータベースを仮想化・統合化して、電子カルテの情報を共有しています。
 また、従来のサーバからのコンテンツ配信ではなく、ユーザも含めた複数の分散したPCからコンテンツ配信を行い、低コストで負荷分散を可能にしている企業もあります。

fig3-2-1