第3部 応用編

 科学技術分野におけるグリッドの事例のひとつに産業技術総合研究所が開発するGEO Gridがあります。これは地球観測衛星から得たデータを画像処理して提供し、様々な地球観測に関するデータ統合を可能にしようというプロジェクトです。
 GEO Gridでは人工衛星に搭載したセンサーの観測データに大気の揺らぎなどを補正して、高精度のデジタルマップを作ります。この計算処理にコンピューティンググリッドを、デジタルマップの保存と提供にデータグリッドを利用しています。グリッドによって、計算処理が高速化され、ユーザのデータへのアクセスが容易かつ高速になりました。
 提供しているデジタルマップは、防災、環境、資源などの問題解決に向けた研究のベースマップとして活用されています。火山帯のわずかな動き、植生の変化、極地の氷の溶解など高精度な観測のために利用できます。
 Webサービスのインターフェースをもつことにより、GIS(地理情報システム)データなど他の情報サービスと組み合わせると、科学分野と、ビジネス分野での様々な応用にも期待が持たれます。

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