第2部 グリッドを実現する要素技術

 グリッドの3つ目の要素技術は、スケジューリングです。スケジューリングの目的は、情報サービスが提供する資源に関する情報を基にして、ユーザの目的に最も合った資源に、自動的にジョブを割り当てることです。ユーザの目的とは、例えば、ジョブを実行する処理時間を最短にする、といったことがあげられます。
 この場合、どのようにジョブを割り当てるのが最適でしょうか。例えば、複数のCPUを必要とする2種類のジョブがあるとします。ジョブAはCPU間の通信量が比較的少なく、ジョブBはCPU間の通信量が比較的多いとユーザによって定義されています。これらのジョブを実行する環境として、2つのコンピュータがあります。コンピュータXは、計算性能は高いがCPU間の通信性能は高くありません。コンピュータYは、CPU間の通信性能は高いが、計算性能は高くありません。この場合、通信量が少ないジョブAを計算性能が高いコンピュータに割り当てて、通信量が多いジョブBは通信性能が高いコンピュータに割り当てる方が、全てのジョブを効率よく実行できます。
 スケジューリングはこのような適切なジョブの割り当て方法を自動的に選択できる要素技術です。以下で、詳しく見ていきましょう。

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