第1部 グリッド概説

 開発したシステムが相互運用するためには、標準化が不可欠です。グリッドの標準化はグリッドの国際標準化団体であるOGF(Open Grid Forum)が精力的に取り組んでいます。OGFは詳細な標準仕様を決定して、それをまとめた文書(ドキュメント)を策定しています。ドキュメントはグリッド技術の全般にわたって、技術要素別に策定されています。
 OGFによる標準化の大きな成果として、グリッド技術の全体的なアーキテクチャであるOGSA(Open Grid Services Architecture)があります。OGSAはWebサービスをベースにしています。そのため、グリッドの標準化は、Webサービスの国際標準化団体W3C 、OASISを始めとして関連する他の標準化団体と連携して進められています。グリッド協議会も、OGFにおける標準化の活動に賛同し、グリッド技術の国内普及活動に取り組んでいます。
 グリッドの標準化は、グリッドをビジネス用途で利用する可能性も開きました。OGFは2002年、グリッド技術の全体的なアーキテクチャの標準仕様であるOGSAを策定しました。OGSAでは、ビジネス分野で重要な、データベースアクセス、ワークフロー制御、システムの機器管理、QoS保証などが視野に入れられました。これによって、グリッドはそれまでの科学技術研究での大規模処理の用途だけでなく、企業のTCO削減やコンピュータ資源の最適化を目的にしたビジネス用途で注目されるようになったのです。

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